第100章

「灯!」

清水月がまた駆け寄り、笠原灯の腕にしがみついた。ぼろぼろと涙をこぼしながら、必死に訴える。

「やめて……霧音姉さんが誰と一緒にいるかなんて、霧音姉さんの自由だよ。どうして自分の身体まで壊すの……? 帰ろう? お願い……」

篠原霧音は冷えた目で清水月を一瞥し、口元に嘲りを浮かべた。

「清水嬢の言うとおりね。笠原社長、可愛い妹の言うことでも聞いて、さっさと注射でも打ちに帰ったら? ここでみっともない真似はやめて」

笠原灯は清水月を振り払った。

力任せだったせいで、清水月は不意を突かれ、ヒールのままよろよろと数歩よろめき、短い悲鳴を漏らす。

けれど笠原灯は、振り返りもしない...

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