第118章

だが、まったく知らない国へ行って、ゼロからやり直すなんて――本当に自分にできるのだろうか。

それに、古川司真はなぜ、こんなに良い機会を自分に回してくれたのか。

社内には、彼女より社歴が長く、能力のある社員などいくらでもいる。

「先輩……」

篠原霧音は喉の奥が引っかかるような声で、頼りなく言った。

「この枠、あまりに大きすぎます。私……務まる自信がなくて」

古川司真は、ふっと笑う。

「俺が人を選ぶ基準は、能力と伸びしろだけだ。ここしばらくのお前の働きは、周りもちゃんと見てる。この枠を任せるのは、お前の仕事ぶりを評価した結果で――私情は一切ない」

それから、少しだけ声の調子を落と...

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