第123章

メイクを終えた篠原霧音は、鏡の中の自分を見つめた。顔色は紙みたいに白い。けれど口紅を引いた唇だけが、かろうじて血の気を残している。

霧音はスマホを手に取り、古川司真へ発信した。

コールは二度で繋がる。

「霧音?」

受話口から届いた古川司真の声は穏やかで、ほんのわずかに気遣いが滲んでいた。

霧音は喉を整え、できるだけ平静に聞こえるよう努める。

「先輩、すみません。今朝、体調がよくなくて……お休みの連絡、し忘れてました」

電話の向こうが、一瞬だけ静かになった。

古川司真が小さく笑う。どこか不思議そうな響き。

「もう連絡、来てたよ。朝8時半。具合が悪いから今日は休むって」

霧音...

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