第13章

遊園地に奈々を連れて来たばかりだというのに、ポケットのスマホがぶるぶると鳴り止まなかった。

画面に踊るのは「古川司真」の文字。

篠原霧音が通話を取るより早く、向こうから柔らかな男声が、少しだけ切羽詰まった調子で飛び込んできた。

「会議終わったとこなんだけど……今日、笠原灯に会ったって聞いた。大丈夫か?」

「大丈夫。もう終わったことだから」

篠原霧音は片手で奈々を抱き上げる。

「先輩、心配しなくていいです。本当に、何もないですから」

向こうが二秒ほど沈黙した。

「……で、今どこにいる? 人事から聞いたんだけど、今日休み取ったって?」

篠原霧音の足が、すっと止まる。

何があっ...

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