第130章

「……不治の病?」

笠原灯の耳の奥で、ぶうん、と鈍い音が鳴った。

白衣の医師を信じられないものを見るように凝視する。指の関節はまだじくじく痛むのに、そんなことはどうでもよかった。

「……もう一回、言ってください」

灯は声を落とした。

医師は鼻梁の眼鏡を押し上げ、重い表情で告げる。

「清水恵さんの検査結果が出ました。心不全は終末期です。控えめに見積もっても……残された時間は、最長で半年でしょう」

「……そんなはずない!」

灯は勢いよく身を起こした。

「今までずっと、ちゃんとコントロールできてたじゃないですか! なんで急に、こんな……!」

「心臓の病気は、もともと変動が大きい...

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