第142章

篠原霧音はソファに腰を下ろしたまま、姿勢ひとつ変えなかった。

カップを持ち上げ、ぬるい白湯をひと口。ガラスのコップをテーブルに戻すと、きん、と澄んだ音が鳴る。

「……変ね」

篠原霧音は口元だけで笑い、苛立ちを隠しもしない清水月の顔へ視線を落とした。

「私に意見を言えって、そっちが無理やり引き留めたんじゃなかった? それなのに清水恵が、もう耐えられないって?」

立ち上がり、スカートの皺を指先で払う。次に顔を向けたのは笠原灯だった。

「笠原社長。清水さん、服を数着試しただけで倒れるなんて、体力がなさすぎるでしょ。私のせいにされても困るんだけど。この件、私には関係ないよね?」

笠原灯...

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