第159章 笠原灯が片付けた

篠原霧音は脇に立ち、彼が不器用にトーク履歴や振込のスクリーンショットを掘り返しているのを見つめていた。胸の奥が、ずしりと沈む。

警察に届けたところで、この金が戻るかどうかは分からない。

こういう投資詐欺は、いったん何度も口座を渡ってしまえば、元どおり取り戻すのはほぼ不可能だ。

それでも、法的な手続きを踏んでおけば、あとで筋は通る。

このバカが一人でここで泣き崩れてるより、よほどマシ。

警察官が篠原康人のスマホを受け取り、聴取を始めた。

そのタイミングで笠原灯が一歩前に出る。さっきのやり取りは、全部耳に入っていたのだろう。

笠原灯は横に立ったまま、篠原康人に一つずつ確認していく。...

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