第31章

篠原霧音は、古川司真の言葉に含まれた微かな含意に気づかなかった。

ふわりと笑って、あっけらかんと言う。

「今野社長とは、せいぜい何回かお会いした程度の間柄ですよ。仲がいいって言うなら……今野社長の息子さんのほう、かな」

古川司真が眉を上げる。どうやら話が見えていない。

篠原霧音も隠す気はなく、以前HGの案件を取るために奈々を連れてHGへ行ったこと、ついでに子ども二人で思いきり遊び回ったことを、要点だけつまんで話した。

「今野社長はお忙しいですし。私はただ、好みに合わせて……子どもの面倒っていう難題をちょっと片付けただけ」

篠原霧音は、まるで大したことじゃないみたいに言った。

古...

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