第47章

翌朝。篠原霧音は目覚ましが鳴る前にぱちりと目を開け、さっさと身支度を整えた。

笠原灯と――きれいさっぱり縁を切ると決めてから、過去に溺れることはもうない。

出社するなり、デスクの書類は小山みたいに積み上がっていた。

HG建材とHYの案件が動き出したばかり、そのうえ笠原グループ絡みの引き継ぎ不備の後始末まで残っている。霧音は水を一口飲む暇もなく、ひたすら手を動かした。

気づけば午後2時。スマホがぶるぶる震え続ける。

相手は今野天だった。

「篠原さん」

向こうはやけに騒がしい。空港のアナウンスみたいな音が混じっている。

「こっちは海外なんだが、契約の詰めでちょっと揉めてな。今週は...

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