第76章

エンディングテーマが画面に流れ出した。

スクリーンの青い光が明滅し、笠原灯の顔を半分だけ照らして、残り半分を影に沈める。

二時間の映画が終わるまでのあいだ、笠原灯の手は篠原霧音の手首に溶接でもされたみたいに貼りついたままだった。指の腹が肌をなぞり、ゆっくり、執拗に、何度も何度も擦る。

気持ち悪い。息が詰まる。

そして今、霧音はようやく横を向き、スクリーンの光を借りて彼を見た。

「終わった。もういい?」

笠原灯は動かない。視線は、まだ流れていくスタッフロールに置かれたまま。

「……うん」

気のない返事。

「笠原灯」

霧音は語気を強め、名も姓もまとめて叩きつける。

「離して...

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