第90章

「はあ!?」江口青が勢いよく上体を起こし、貼っていたパックがずり落ちかけた。「あいつ、古城までお前を追いかけてきたの? どんだけ暇なの」

「さあね」篠原霧音は口の中の泡をぺっと吐き、タオルで口元を拭った。

「マジで……面の皮厚すぎ!」江口青が画面越しに怒鳴る。「霧音、大丈夫だった? 何かされてない?」

篠原霧音は鏡の中の自分を見つめる。

唇はまだ少し腫れて赤い。首元には、うっすらと赤い痕。昨夜、笠原灯に強く掴まれたせいだ。

彼女はパジャマの襟を引き上げ、痕を隠した。

「平気。朝にはもう帰った」

「ならよかった。で、これからどうする? 古城でもう何日か遊ぶ?」

「遊ぶわけないで...

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