第94章

清水月は叱りつけられて声も出せず、むっとした息を呑み込んだまま訊ねた。

「……じゃあ、これからどうするの? 灯兄さん、さっきのあれ……どういう意味? もう何か疑ってるんじゃ……」

「疑ってたら何?」清水恵は鼻で笑う。「私が最後まで『知らない』で押し通せばいい。あの人に何ができるのよ」

清水月は少しだけ肩の力を抜いた。けれど、すぐにまた不安がぶり返す。

「でも、お姉ちゃん。さっき、どうして灯兄さんに篠原霧音へ花を贈らせたの? もし篠原霧音が本当に心を動かされたらどうするの。私たち、今までのこと全部ムダになるじゃない」

恵は顔だけこちらへ向け、ふっと笑った。

「心を動かす?」口元を歪...

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