第103章

江原家――

「奥様、若様が目を覚まされました。奥様にお会いしたいと騒いでおられます」

執事は藤原月美が帰宅するなり、江原和直の様子を駆け寄って報告した。

それを聞いた瞬間、月美の顔にようやく笑みが灯る。足早に、和直の寝室へ向かった。

「和直……」

「母さん」

江原和直は肋骨を三本折っていたが、若さもあって回復は早い。手術を終え、三日を耐え抜いた今は、安静にしていればいい段階だった。

月美はベッド脇に腰を下ろし、覗き込むように尋ねる。

「どう? つらくない? まだ痛む?」

「痛むなら、すぐ先生を呼ぶから」

「大丈夫。もう平気だよ」

顔色はまだ青白い。それでも、以前よりずっ...

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