第11章

この三日間、二谷夜子の予定はぎゅうぎゅうに詰まっていた。

論文審査に必要な資料を揃えつつ、息つく間もなく病院へ向かって臨床実習。

彼女はまるで高速で回り続ける独楽みたいで、ほかのことを考える余裕など欠片もない。

その間、夜子から藤原右京へ連絡することはなかった。江原や直也とも、スマホ越しに薄っぺらい挨拶を交わす程度。――心にもない社交辞令だけ。

ところが四日目。

「二谷夜子が論文を盗用した」という噂が、学内掲示板で一気に燃え上がった。あっという間に炎上、騒ぎは校内を揺らすほどの大波になる。

『学術不正撲滅委員』がスレを立てる。

【あの先輩知ってる。超有名だよ。年に12本も医学論...

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