第112章

周防景冶は二谷夜子の問いには答えず、逆に問い返した。

『江原和直に婚約破棄させたのは、君か?』

二谷夜子は、いまさら隠しても無駄だとわかっていた。周防景冶の手腕なら、とっくに洗い出しているはずだ。

だから、正直に言う。

『そうよ。私が江原和直に婚約を解消させた。だって周防家は、破棄を切り出す側になりたくなさそうだったもの』

周防景冶は彼女の誠意を感じ取ったのか、口元に笑みを浮かべた。

『いいね』

『じゃあ、こっちも朗報をひとつ。いま俺たち、同じ戦線の味方になった』

二谷夜子は眉をひそめる。

『どういう意味?』

周防景冶は気だるげに肩をすくめ、いかにもどうでもよさそうに言っ...

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