第123章

藤原右京はドアを閉めると、泰然とした顔で藤原月美の前まで歩み寄った。

『おはよう』

藤原月美は手にしていたティーカップを、わざとらしくもなく、けれど軽くもない力で置いた。カン、と乾いた音が響く。

『もう朝って時間じゃないわ』

約束の時間から、きっかり1時間遅れ。

姉に会いたくなくて避けているのか。それとも、わざと遅れて顔色をうかがわせるつもりなのか。

右京は月美の向かいのソファに腰を下ろし、長い脚を優雅に組んだ。

『9時が、俺の通常の始業だ』

月美は頼みがあって来ている。時間のことでこれ以上揉める気はなかった。

『右京。私がこの数日、どうしてそんなに必死であなたを探してたか...

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