第14章

二谷夜子は口元をわずかに吊り上げ、従順そうに見える笑みを浮かべて甘えた声を落とした。

「そんなことありませんよ、藤原様。いま、ちょうど手袋を外そうとしていたところです」

そう言うと、夜子は所作だけは優雅に手袋をするりと脱ぎ、改めて林原の前へ戻る。

「林原様、では……もう一度、採取し直しますね。お手数ですけど、もう一度ズボンを下ろしていただけますか」

藤原右京は腕を組み、壁にもたれかかるように体を少し反らして、その一部始終を余裕たっぷりに眺めていた。

深い瞳に温度はない。ただ、見世物でも楽しむみたいな薄い興味だけが宿っている。

妖艶で狡猾な小狐が、目的のためなら本当にこの屈辱を飲み...

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