第15章

二谷夜子はわざと声を甘く細め、いかにも愛らしく言った。

「数か月前、江原和直さんがうちの科に包茎手術を受けに来たの。執刀したのは私。それで、だんだん親しくなったってわけ」

藤原右京はふっと冷笑すると、いきなり二谷夜子の肩を掴み、容赦なく自分から引き剥がした。

「患者のプライバシーをぺらぺら喋るとはな。ずいぶん俺を身内扱いしてくれる」

二谷夜子は即座に、この上なく無垢な顔を作る。

「藤原様、どうして他人なんですか? 私にとって、あなたはとても特別な方ですのに」

藤原右京の口元がわずかに吊り上がる。次の瞬間、長い腕が不意に伸び、彼は二谷夜子をぐいと引き寄せた。

そのまま――どん、と...

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