第192章

藤原右京は即答した。『今だ』

屏山精神病院――

藤原右京は一時間以上ハンドルを握り、ようやく屏山精神病院に着いた。すでに日は落ちている。

二谷夜子は車を降り、どこか荒れた周囲の景色を見回して、胸の奥がざわついた。

坂上蘭はもともと精神状態が安定しないうえ、医者嫌いだ。ここへ連れて来られたと知ったら、どれほど怖がるだろう。

院内へ入ると、入院棟の入口に周防弘也が先に待っていた。

周防弘也の視線が、藤原右京の背後にいる小柄な影へ向く。『後ろの子は紹介してくれないのかい?』

藤原右京は背中に隠れていた小さな女を引き寄せ、周防弘也の前へ出した。『二谷夜子。俺の彼女だ』

二谷夜子は顔を...

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