第194章

病院――。

藤原奥様は片手に点滴をつないだまま、顔色は青白い。

コンコン、とドアを叩く音。

医師だと思った藤原奥様は、かすれ気味に言った。

『入って』

きい、と病室の扉が開き、入ってきたのは藤原月美だった。

藤原奥様は相手の顔を見た瞬間、浮かべかけた笑みをすっと消す。

月美は奥様を見つめ、どこか居心地悪そうに唇を動かした。

『……お母さん』

藤原奥様は枕に背を預け、留置場から出てきたばかりの娘を値踏みするように眺める。

『留置場でも、ずいぶん快適に過ごしてたみたいね』

ニュースで見た。連れて行かれた日の姿も。

それに比べても、痩せた様子はほとんどない。

――コネでも...

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