第39章

二谷夜子は、原崎暁の瞳いっぱいに溜まった疲労と無力感を見て、そっと手を伸ばした。細い肩を軽く抱き寄せる。

「怖がらないで、暁さん。たかが晩餐会でしょ? 私が一緒に行く。何が来ても受けて立てばいいし、こっちも引っ込む気はない。互いに背中、預け合おう」

原崎暁は口の端を引きつらせ、自嘲気味に笑ってみせた。

――分かりすぎるほど分かっている。

うまくいっている人間の隣には人が集まる。だが、転げ落ちた者に手を差し伸べる者は、ほとんどいない。

原崎家が破綻し、彼女はとうに雲の上から泥沼へ落ちた。

南野立人がわざわざ名指しで、ああいう場へ呼びつける理由などひとつだ。残ったわずかな矜持まで踏み...

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