第45章

遠距離だったことだけが、ふたりの別れの理由じゃない。――欲望が満たされなかったことも、大きかった。

今の藤原右京は、ほかの女となら「普通」に関われている。なら時間さえかければ、きっと彼女のことも満たせるはずだ。

もう離れていない。なら、解決できる問題も増える。

「右京……まだ私のこと、愛してるんでしょ。私も、あなたを愛してる。ねえ、もう一度やり直そう? お願い」

白原ルルは涙をきらりと滲ませ、期待に揺れる瞳で藤原右京を見つめた。返事を待つみたいに。

一方、二谷夜子は今日、沃德病院のシフトだった。

朝から晩まで、胸の奥がざわついたまま落ち着かない。

今朝の別荘での一幕。藤原右京は...

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