第51章

その頃、宴会場の三階では――。

周防景冶は手を上げ、周防雨子の部屋のドアを形ばかりに二度ノックした。返事も待たず、そのまま扉を押し開ける。

寝室に足を踏み入れた瞬間、ガラス細工の置物が真正面から飛んできた。

周防景冶はそんな『歓迎』にも慣れきっているらしい。ひょいと首を傾けてかわすと、置物は耳元をかすめて後方へ抜ける。

次の瞬間、背後で甲高い破砕音。床の上で砕け散り、無数の破片がきらきらと飛び散った。

周防雨子は深い紫のオフショルダードレスをまとい、隙のない化粧を施していた。艶やかな顔立ちには冷気が張りつき、瞳には怒りの炎が燃えている。

周防景冶は口元に不遜な笑みをぶら下げたまま...

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