第57章

藤原右京と周防景冶もまた、二谷夜子の姿をひと目で捉えた。

周防景冶はぱっと顔を綻ばせ、こちらへ向かって大きく手を振る。

二谷夜子は唇の端をわずかに持ち上げ、礼儀正しく小さく頷いて返した。

次いで視線を藤原右京へ移すと――彼の表情が、瞬く間に曇る。いや、沈む。

無言のまま、目だけで責め立ててくる。

(どうして毎回、君なんだ?)

二谷夜子は相手にする気もなく、彼の不機嫌など最初から見えていないふりをした。

その一方で、胸の奥ではそっと息を吐く。

周防景冶と藤原右京がここにいる。なら、周防雨子と江原和直も同席している可能性が一気に高まる。

二谷夜子はスマホを取り出し、周防雨子のマ...

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