第71章

周防充はこめかみがピクピクと跳ねるのを感じながら、腹をくくって迎えに出た。

『二谷さん……も、もう来たんですか?』

『1時間半で「もう」?』

二谷夜子は大きく息を吐き、保温容器を周防充の腕にぐいっと押しつけた。

『疲れた! ほら、持って!』

周防充の頭にあるのはただひとつ。二谷夜子を追い返し、白原ルルが出ていってから食材を中へ入れること。

『二谷さん、お疲れさまです! こちらは僕が! もうお帰りください! 藤原様もきっと感謝なさいます!』

周防充は職業スマイルを引きつらせた。

二谷夜子が眉を吊り上げる。

『帰る? 冗談でしょ。あいつに白紙黒字で書かせるの。今日の食事代を差し...

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