第81章

周防景冶の声が、なおも耳の奥で響き続ける。

『江原家は、あの抗癌剤の処方を手に入れてからだ。そこから医薬分野で一気に伸し上がって、力を膨らませた……藤原家に食らいつく資本まで、いつの間にか整えていた』

『今なら分かるだろ。あいつが、お前に手を貸さない理由が』

『藤原家――少なくとも藤原月美は、ある程度は知ってる。いや、知ってるどころか……関わっていた側だ。藤原右京も知ってる可能性はあるが、実の姉を裏切れない。あいつにできるのは、お前を止めて危険から遠ざけること……あるいは、復讐を諦めさせることだけだ』

どん――。

二谷夜子の頭の中が、真っ白になった。

これまで積み上げてきた認識も...

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