第9章

H市・南野家の三男――南野立人は、今日で二十八歳。誕生日の祝いに、いつもの連中を集めて一席設けていた。

藤原右京は南野立人の親友だ。誘いを断る理由もなく顔を出したが、少しだけ到着が遅れた。

会員制のクラブに足を踏み入れた瞬間、耳に飛び込んできたのは騒ぎ声と笑い声。すでに店内は出来上がっていて、南野立人たちは熱気のままに遊び倒していた。

「おっせーぞ、右京! 待ってたわ! まず罰として三杯な!」

南野立人が目ざとく見つけて叫ぶと、周りも一斉に囃し立てる。

藤原右京は肩をすくめるだけで、差し出されたグラスを黙って受け取った。

度数の強い酒を三杯、立て続けに流し込む。喉から胃へ落ちた途...

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