第3章

翌日の午後、私はS市地方の短期大学の入り口に立っていた。まるで間違った場所に迷い込んだような気分だった。高価なブランドのバッグと完璧に整えたヘアスタイル、少し派手めのメイクという私の出で立ちは、他の学生たちの、ナチュラルメイクにシンプルなトップスとデニム、スニーカーというカジュアルな装いの中ではひどく浮いていて、まるで「都会から来た人間です」と全身で主張しているようだった。

キャンパスはS大学よりもこぢんまりとしていて、美観よりも機能性を優先した造りだ。シンプルなコンクリート造りの校舎、低めの生垣や柵で囲まれた敷地。駐車場には学生のコンパクトカーが整然と並び、一角には小さなバイク置き場があった。

私は駐車場に向かって歩いた。正人か、彼の特徴的なハーレーが見つからないかと期待しながら。彼のSNSによれば、いつも放課後はバイク仲間とここでつるんでいるらしい。

午後の陽射しがアスファルトをじりじりと焼く中、私はずらりと並んだ車列の間を縫うように進む。バイクを一台一台検分していると、背後から声がした。

「おやおや、これは珍しいお客さんだ」

振り返ると、三人の男がこちらへ向かってくるところだった。両親がいつも「関わってはいけない」と口を酸っぱくして言っていた、まさにそのタイプだ。だぶだぶの服を着て、自信過剰な笑みを浮かべている。鳥肌が立つような、いやらしい視線を感じた。

「S大のお嬢様が迷子になっちまったらしいな」一番背の高い男が言った。その声には嘲りが滲んでいる。「金持ちのお嬢ちゃんが、俺たちのシマで何してんだ?」

口の中がからからに乾いた。強気な態度を装おうとしたけれど、声は思ったよりずっと小さくか細くなってしまった。「人を探しているだけです」

「人探し?」二人目の男が、びくりと肩が震えるような下品な声で笑った。「俺たちを探してたのかもな。案内してやるぜ、本当の『大学』ってやつをよ」

彼らは私を緩く囲み、逃げ道を塞いだ。心臓が肋骨を叩きつけるように激しく鳴り始める。

「そろそろ行かないと」頭の中では「逃げろ」と警報が鳴り響いているのに、私は平静を装って言った。「友達が待ってるんです」

「友達だあ?」三人目の男が一歩近づいてきた。煙草と安っぽいコロンの匂いが鼻をつく。「友達なんかいねえじゃねえか。いるのは、場違いな場所に迷い込んじまった、怯えてるお嬢ちゃんだけだ」

しまった、もっと慎重になるべきだった。

彼らがじりじりと距離を詰めてくるにつれて、パニックが喉元までせり上がってきた。携帯はバッグの中だけど、手が震えすぎて取り出せそうにない。

「遠慮すんなよ」背の高い男が、私の腕に触れようと手を伸ばしてくる。「ただ親切にしてやってるだけだろ」

その、まさにその時だった。午後の空気を刃のように切り裂いて、重く轟くバイクのエンジン音が聞こえたのは。

その場にいた三人全員が、音のした方を振り返った。黒いハーレーが、猛スピードでこちらに向かってくる。ライダーは黒いヘルメットとレザージャケットに身を包み、顔は見えない。バイクは私たちから六メートルほど手前で停まった。エンジンはかかったままで、その力強い唸りが静寂を満たした。

私は息を呑んだ。そのライダーの佇まい、バイクに跨るさりげない自信に満ちた姿に、私の脈拍が跳ね上がった。

ライダーはしなやかにバイクを降り、ヘルメットを外す。現れた黒髪と、心臓が止まるかと思うほど整った顔。

彼だった。木村正人。

写真で見るよりもずっと、息を呑むほど魅力的だ。シャープな頬骨、彫りの深い黒い瞳。そして、生きているアートのように腕を這い上がる緻密なタトゥー。危険で、美しくて、私とはまったく住む世界が違う人に見えた。

彼の視線がさっと辺りを窺い、私を囲む三人の男たちの上でぴたりと止まる。その表情が、雷でも落ちたかのように険しくなった。

「てめえら、誰に断って俺の女に手ぇ出してやがる」

その声は、駐車場によく通った。

俺の、女……?

三人の男たちは途端にしゅんとなり、それまでの威勢は霧のように消え失せた。「よ、よう、正人。お前の女だとは知らなかったんだよ」

「今、知ったろ」正人はこちらに歩いてきた。その足取りには、一度も喧嘩で引いたことのない人間特有の、気負いのない自信がみなぎっている。一歩一歩が、制御された力を放っていた。「だから、俺が事を面白くする前に、とっとと消えることをお勧めするぜ」

「ただ話してただけだよ」背の高い男が、もはや正人の目を見ようともせずに呟いた。

「話してた?」正人の笑みは冬のように冷たかった。「怯えてる女の子を追い詰めるのが『話す』ってことか?」

私は呆然と見守っていた。さっきまでの威勢のいい三人が、まるでお菓子を盗んでいるところを見つかった子供のように、急にそわそわとし始めたのだから。

「危害を加えるつもりはなかったんだ」一人が弱々しく言った。

「消えろ」正人の声は静かだったが、その下には鋼のような硬さがあった。「全員だ。それと、もし次にこのキャンパスで女の子にちょっかい出してるのを見つけたら、今度はお話じゃ済まないからな」

二度言わせる必要はなかった。三人はぶつぶつと何かを呟きながら、一度も振り返ることなく、足早に去っていった。

私はその場に立ち尽くしたまま、今起きたことをまだ整理しきれずにいた。

彼が完全にこちらを向いた時、私は初めて、本当の救い主の顔をはっきりと見ることができた。全てを見透かすような黒い瞳、滅多に笑むことのなさそうな口元、そして膝が震えるほど強烈な存在感。

「大丈夫か?」彼はそう尋ねたが、その口調はどこかよそよそしく、冷たくさえ感じられた。

「はい、ありがとうございます」息を切らしながらも、なんとか声を出した。「すごかったです」

彼は肩をすくめた。まるでお姫様を助けることなど、彼にとっては日常茶飯事だと言わんばかりに。「あいつらは臆病者だ。自分より弱いと見込んだ相手しか狙わねえ」

今がチャンスだ。やっと、本当のヒーローと顔を合わせることができたのだから。

私は一歩近づいた。心臓の鼓動が激しくて、彼にも聞こえてしまうんじゃないかと思った。「木村正人さん、ですか?」

彼の黒い瞳に何かがきらめいた――驚き? それとも、見覚えがあったのだろうか? だが、表情は変わらなかった。「木村正人なんて知らないな。人違いだろ」

その嘘は、まるで殴られたかのような衝撃だった。「でも、私は――」

「もっと気をつけた方がいい」彼は私の言葉を遮り、すでにバイクの方へ向き直っていた。「ここはS大じゃない。ここの連中は、同じルールでは動かねえんだよ」

「待って!」私は必死に呼びかけた。声に焦りが滲む。「お願い、少しだけ話がしたいんです!」

しかし彼はもうヘルメットを被っており、会話は終わりだとはっきり示していた。彼はハーレーに足をかけ、まさに走り去ろうとしたその時、ジャケットのポケットから何かが落ちた。

一枚の小さな写真が、落ち葉のようにひらひらと地面に舞った。

正人は気づかなかった。彼はエンジンを吹かし、走り去ってしまった。駐車場には、私一人が取り残された。

私は歩み寄り、震える手でその写真を拾い上げた。

血の気が引いた。

それは、自動車事故の写真だった。銀色のセダン――私の銀色のセダン――が木に巻きつくように衝突し、フロント部分は完全に破壊されている。背景には、緊急車両の赤と青の光が点滅していた。

私の、事故。彼が、私の事故の写真を持っている。

震える指で写真を裏返した。青いインクで、こう書かれていた。

『決して忘れるな』

いくつもの疑問が頭の中で爆発し、写真を持つ手が震えた。なぜ正人はこの写真を持っているの? なぜ私の人生最悪の日の写真を持ち歩いているの? なぜ私の顔を見て、正人だと名乗るのを拒んだの?

彼のバイクが消えていった方向を見つめながら、私はかつてないほど混乱していた。

正人は、何を隠しているのだろう?

私は写真をバッグにしまい込んだ。思考は混乱を極めている。正人を見つけ出しても、期待していたような心の区切りはつかなかった。それどころか、全く新しい謎が生まれ、期待と恐怖が入り混じった不安な気持ちで、胸が締め付けられるようだった。

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