第9章

午前五時、私はまだ正人のベッドのそばで、彼の冷たい手を握っていた。録音証拠は警察に送られ、あとはただ待つしかなかった。

突然、廊下が慌ただしい足音と無線機の声で満たされた。

「警察です。捜査令状があります」

心臓が跳ね上がった。ついに、この時が来たのだ。

看護師長が静かに近づいてきた。「申し訳ありませんが、一時的に面会を中断していただけますか。警察の捜査にご協力いただく必要がありまして」

正人のそばを離れたくはなかったが、仕方ないと分かっていた。私はそっと彼の蒼白な頬に触れた。「正人、必ず解決するから。もう少し頑張って」

廊下のベンチで、私はスマホでニュースサイトを確...

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