第6章
「桐谷、午後の会議だけど……」同僚の声が耳元まで。
「ごめんなさい!」
勢いよく立ち上がると、写真をひっ掴んでオフィスを飛び出した。
「急用ができたの!」
「桐谷! どこへ行くんだ?」
返事もせず、ただ必死に走った。
直接会って、この写真が本当なのかどうかを聞きたい。
彼の口から聞きたい。私のこと好きなのか、いないのかを。
会社のビルを飛び出し、道端でタクシーを拾う。
「銀河デザイン事務所まで。急いでください!」
車が走り出した。私は写真を強く握りしめたままだった。掌は汗でじっとりとしている。
もしこれが本当なら……。彼も私のことが好きなら……。
私た...
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