第7章

長谷川臨との対峙から数日が経ち、私の生活は平穏を取り戻していた。

松本照一が、私の買ったもこもこのパジャマを着て音もなく背後に現れ、火をつけたばかりの煙草をひょいと口から抜き取った。

彼はわずかに眉をひそめる。

「お前が昔どうだったかは知らん。だが、私が帰ってきてからも煙草を吸うとは、寿命を縮めたいのか?」

彼は煙草を灰皿に押し付けて火を消した。

私は眉を上げて彼を見つめる。高校時代、彼がこうして私の指から煙草を奪っていったことを思い出した。あの頃はただ好奇心で試しただけだったが、こっぴどく説教されたものだ。十年経った今でも、この仕草は変わらず馴染み深い。

「長谷川臨が...

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