第2章

「アイビー……」

「今日、車に乗ったプレストンとすれ違ったの。ほら、あのアウディよ。去年、お母さんがお父さんを説得して買ってあげたやつ。あいつ、手も振らなかったわ」

あのアウディ。三百万円。コンラッドは「緊急用資金から少し回せないか」と私に聞いてきた。新しい仕事のために、プレストンには「信頼できる車」が必要だから、と。私は「分かった」と言った。家族とはそういうものだから。互いに助け合うものだから。

その二ヶ月後、アイビーの学費を少し援助できないかと相談したとき、コンラッドは「あの子ももっと自立すべきだ」と言い放ったのだ。

「たぶん、あなたに気づかなかっただけよ」私は力なく答えた。

「お母さん」アイビーは持っていた皿を置き、私の方を向いた。その目は涙で潤んでいた。「私たち、いつここを出て行くの?」

その問いかけが、重く空気に漂った。

いつ出て行くのか。

「出て行くかどうか」ではない。「いつ」なのか、だ。

私は娘を見つめた。美しく、優しく、働き者の娘。義理の兄がスイートルームのような部屋を与えられている一方で、屋根裏部屋での生活を強いられている彼女は、もっと報われてしかるべきだ。アイビーは授業の合間を縫って週に三十時間も働いているのに、スローンはアイビーの月収以上の値段がする遅めの朝ごはんの写真をインスタにアップしている。

私はシンクに山積みになった皿を見た。六時間も立ちっぱなしだったキッチンを見た。十五人分の食事を三日かけて準備したというのに、誰一人として「ありがとう」と言わなかったダイニングへの入り口を見た。

コンラッドのスピーチを思い出した。キャロラインの名前はあんなにも滑らかに彼の口から出てきたのに。本来なら私の名前があるはずの場所は、空白のままだった。

そして私は、七年前のことを思い出した。

私たちはチャリティーディナーで出会った。リアムが亡くなって二年、殻に閉じこもっていた私を、友人のティーガンが無理やり連れ出した場所だった。コンラッドは妻を亡くしたばかりで、スーツ姿が素敵で、どこか放っておけないような悲哀を漂わせていた。

彼は私を食事に誘った。

私たちはダウンタウンのステーキハウスへ行った。彼はワインを注文し、魅力的に振る舞い、私のレストランについて尋ねた。『ビストロ・マーゴット』は私の夢だった。何もないところから作り上げた、近所の小さなビストロ。五年間の過酷な労働、火傷だらけの指、失敗したレシピ。そしてついに、ついに掴んだ成功。

「子供が三人いるんだ」デザートの時に彼は言った。「スローン、プレストン、ウィラ。あの子たちには母親代わりが必要なんだ。キャロラインの死はあまりに突然で……あの子たちは途方に暮れている」

私もアイビーのことを話した。当時は十三歳で、大人しくて真面目で、まだ父親の死を悲しんでいた。「あの子には安定が必要なの。家族が」

「私たちが互いの家族になれる」コンラッドはテーブル越しに私の手を取り、そう言った。「本当の家族に。みんな一緒に」

私はそれを切実に求めていた。完全な家族。アイビーのための父親。血は繋がっていなくても、兄弟姉妹。人生を分かち合うパートナー。

「あなたの子供たちを、自分の子のように大切にするわ」私はそう約束した。

彼は微笑んだ。「君ならそうしてくれると分かっていたよ」

本気でそう思っていた。愛を注げば、愛し返してくれると信じていた。

それから七年後、私は彼らが汚した皿の山の前に立ち、彼らは未だにキャロラインを「お母さん」と呼んでいる。

「お母さん?」アイビーの声で現実に引き戻された。「大丈夫?」

私は彼女の不安そうな顔を見た。二十歳になったばかりの彼女は、愛だけでは十分ではないことを既に学んでしまっていた。世の中には、奪うだけで決して返そうとしない人間がいるということを。

私は布巾で手を拭いた。手が震えていた。

「ここを出ましょう」私は静かに言った。

「え?」

「ここを出て行くのよ」今度は声を大きくした。その言葉は口の中で奇妙な響きを帯びていた。まるで異国の言葉のように。七年間、「はい」「もちろん」「あなたの好きなように」と言い続けてきた私が、突然「嫌です」と拒絶したのだ。

アイビーは目を丸くした。「本当に? いつ?」

私はキッチンを見渡した。皿の山。誰かの発言に笑うコンラッドの声が聞こえるドアの向こう。

私が築き上げたはずなのに、一度として自分のものになったことのない生活。

「近いうちに」私は言った。「でも今日じゃない。今はその時じゃないわ」

まずは整理しなければならないことがある。お金。弁護士。計画。

私はこの家族に七年を捧げた。私を母親とは決して認めない子供たちのために、料理し、掃除し、世話を焼いた七年間。コンラッドが私やアイビーよりも、彼らを優先するのをただ見ていた七年間。毎回、例外なく。

だが、私は記録を取り続けた七年間でもあった。領収書。銀行の振込記録。テキストメッセージ。私はかつてレストランのオーナーだった。ビジネスの回し方も、経費の管理も、帳簿のつけ方も知っている。

それに、結婚も一度経験している。愛には終わりがあることも知っている。夫を一人、見送っているのだから。

だが今回は、手ぶらで立ち去るつもりはない。

「出て行くわよ」私はもう一度、アイビーに向かってというより、自分に言い聞かせるように呟いた。

手を乾かし、再び皿洗いに戻る。

しかし、何かが変わっていた。胸のつかえが取れたように、心が軽い。

私は決断したのだ。

あとは、その方法を考えるだけだ。

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