第3章
眠れなかった。
深夜を過ぎている。隣ではコンラッドがいびきをかき、片腕をベッドの自分の側に放り出していた。私は天井を見つめ、日の出までの時間を数えていた。
どうやって。
アイビーに「家を出る」と告げて以来、ずっと自分に問い続けてきたことだ。自分の金を持たずに、どうやって結婚生活を終わらせるのか? 四十八歳にして、どうやって人生をやり直すのか? あの金が贈与ではなく、貸付だったとどうやって証明するのか?
コンラッドを起こさないよう気をつけながら、寝返りを打つ。
もっと酷い状況だって乗り越えてきた。リアムが死んだ時、私には十三歳の娘と、経営難のレストランが残された。一日十八時間働き、業者との交渉術を覚え、ゼロから何かを築き上げたのだ。
またやれるはずだ。
ただ、どうやってあの金を取り返すかさえわかれば。
三千万円。
その数字が頭の中をぐるぐると回り続けている。六年前、私がコンラッドに渡した金額だ。上げたのではない――貸したのだ。銀行の振込記録はある。「事態が安定したらすぐに返す」と約束したテキストメッセージも残っている。
状況は五年前に安定した。だが、彼が金を返すことはなかった。
私は目を閉じ、記憶を呼び覚ました。
あれは火曜日だった。春先のことで、私はレストランでディナーの仕込みをしていた。その時、コンラッドから電話があったのだ。
「マーゴット、会いたいんだ」
彼の声は奇妙だった。張り詰めていた。
「どうしたの?」
「電話じゃ話せない。家に戻れるか?」
私は副料理長に店を任せ、車で家に戻った。コンラッドは書斎にいて、机の上に書類を広げていた。顔色は土気色だった。
「河畔開発計画が頓挫した」と彼は言った。「投資家が手を引いたんだ。穴埋めできなければ、会社ごと倒産だ」
私は椅子に座った。「いくら必要なの?」
「三千万円だ」
その数字は、まるで雷に打たれたような衝撃だった。
「銀行はすべて回った。どこも貸してくれない」彼は顔を上げた。「マーゴット、無理を言っているのはわかってる」
私はレストランのことを考えた。緊急時の予備資金のこと。五年分の利益。
「あるわ」私は言った。
「あるのか?」
「店よ。店を売ればいい」
「マーゴット、だめだ。あれは君の夢だろう――」
「私たちは夫婦よ。あなたの問題は私の問題だわ」私は彼の手を取った。「プロジェクトが終わったら返してくれればいい。どうせ拡張の話もしていたし。もっと広い場所、もっと広いキッチンに」
彼の目が潤んだ。「誓うよ。会社が立ち直ったらすぐに埋め合わせをする。コネチカットで一番のレストランを持たせてやるから」
『ビストロ・マーゴット』を売却するのに三週間かかった。不動産業者が、実績のある物件を探している若いカップルを見つけてきた。彼らは言い値で買ってくれた。私はコーヒーと後悔の匂いがする会議室で、書類にサインをした。
金曜日に小切手の決済が下りた。その日の午後、私はコンラッドの事業口座に送金した。
月曜日には、彼は会社を救っていた。
一年後、私は新しいレストランの話を持ち出した。
「ねえ、中央通りのあの物件のことなんだけど。以前書店だったところ。人通りも多いし、家賃も手頃なの」
コンラッドは新聞を読んでいた。彼は顔を上げたが、上の空だった。
「どの物件だって?」
「レストランよ。事態が安定したら、新しい店の話をしようって言ってたでしょう」
「ああ」彼は新聞を畳んだ。「マーゴット、今はまだその時期じゃないと思うよ」
「でも、会社は順調じゃない――」
「マシにはなった。だが、まだ回復途中なんだ。それに子供たちには今、安定が必要だ。スローンは大学に入ったばかりだし、プレストンは学校で苦労している。君にはここにいてほしいんだ」
「両立できるわ。昼間の店舗運営にマネージャーを雇えば――」
「マーゴット」彼の声は断固としていた。「家には君が必要なんだ。子供たちにも君が必要だ。それはレストランよりも大事なことじゃないのか?」
私は叫び出したかった。何かを投げつけてやりたかった。この家族のために私がすべてを犠牲にしてきたのだと、彼に思い出させたかった。
だが、代わりに私はこう言った。「分かった。子供たちが一番だわ」
それは三年前のことだ。それ以来、二度とその話を持ち出すことはなかった。
記憶が切り替わる。スローンの二十一歳の誕生日。ちょうど三年前の出来事だ。
私は何か特別なことをしてあげたかった。彼女はコンラッドの長女であり、彼の大切なお姫様だ。私は私たちの間の溝を埋めようと必死だった。彼女が失った母親になろうとしていたのだ。
準備には二日を費やした。彼女の大学の友人を全員招待し、家の中を白いバラと金の風船で飾り付けた。彼女の好物のディナーを作り、バタークリームでデコレーションした三段重ねのバニラケーキを焼いた。六時間もかかった作業で、バラの飾りを絞り出す手はつりそうだった。
スローンが入ってきて飾り付けを見た時、彼女の顔がぱっと輝いた。一瞬、うまくいったと思った。彼女を喜ばせることができたのだと。
だがその時、彼女はケーキを見た。
「これ、あなたが作ったの?」
「そうよ。イチゴのフィリングが入ったバニラケーキ。あなたの好物だって言ってたのを覚えていたから」
彼女の笑顔が消えた。「マーゴット、私、手作りのお菓子は食べないの。食べるのは有名パティシエのドミニク・アンセルのものだけって決めてるから」
ドミニク・アンセル。ニューヨークの有名なベーカリーだ。あそこのケーキ一切れの値段は、私が作った三段重ねのケーキの材料費すべてよりも高いだろう。
「でも、あなたのために特別に――」
「いいの。本当に」彼女は友人たちの方を向いた。「シャンパン飲む人?」
ケーキは一晩中カウンターに置かれたままだった。誰も手をつけなかった。パーティーの終わりに、私はそれをゴミ箱に捨てた。
その日の夜遅く、コンラッドはティファニーの小さな箱を持って帰宅した。中身はダイヤモンドのネックレスだった。10カラットだと、彼は自慢げにスローンに言った。コンフリクトフリーのダイヤで、特注のデザインだという。
スローンはそれを見て涙を流した。コンラッドの首に腕を回して抱きついた。「ああ、お父さん、完璧よ。私が欲しいものをいつもわかってくれてるのね」
私は入り口に立ち、その光景を眺めていた。あのネックレスはおそらく四百万円はするだろう。もしかするとそれ以上かもしれない。
携帯電話が震えた。アイビーからのメッセージだ。
「お母さん、本当にごめんなさい。授業料の支払いを一週間待ってもらう方法はないかな? シフトの計算を間違えちゃって、二万円足りないの。追加でシフトには入るつもりだけど、数日必要なんだ」
二万円。彼女はたった二万円を必要としていて、それを頼むのに謝っているのだ。
一方、スローンは四百万円を首にぶら下げている。
私は返信した。「心配しないで、アイビー。今夜振り込んでおくわ。無理して働かなくていいのよ」
私は自分の個人口座から送金した。コンラッドが「個人的な出費」のためにくれるわずかな小遣いを、少しずつ貯めて再構築していた口座だ。五万円貯めるのに半年かかった。これで残高は三万円になってしまった。
でも、アイビーにそれを知らせる必要はない。彼女はすでに自分が重荷だと感じている。この家族に居場所がないと感じているのだ。
なぜなら、実際にそうだからだ。私たち二人に居場所などない。
私は目を開けた。天井が白んできている。もうすぐ夜明けだ。
七年。私はこの家族に七年を捧げた。レストランを売り、コンラッドの子供たちを育てた。できる限りの愛情を注いできた。
その結果、私に残ったものは何だ?
空っぽの銀行口座。学生ローンに溺れる娘。私よりも死んだ妻に感謝する夫。
私は寝返りを打ち、コンラッドの寝顔を見た。彼を憎んではいない。ただ、虚しさを感じるだけだ。
だが、アイビーに話していないことがもう一つある。
二週間前、私はある電話を聞いてしまったのだ。
すべてを変えてしまう電話を。
