第13章

小島奈緒を少し放っておこうと思っていた風間怜司は、自分の胸を刺すような痛みに眉をひそめた。何が起きたのか考えるより先に、身体が勝手に動く。

大股で近づき、彼女の細い腕を掴んだ。

手のひらから伝わる力が、彼女の身体をしっかり支える。よろめいた小島奈緒は、そのまま立ち直った。

風間怜司は彼女の手に提げられていた袋を受け取り、ちらりと顔を覗き込む。頬は血の気が引き、唇まで白い。額には細かな汗――暑さじゃない。強い刺激に晒されたときに滲む、冷たい汗だ。

「大丈夫か」

小島奈緒が顔を上げ、風間怜司を見た。腕に残る彼の力に触れた瞬間、さっきまで不意打ちみたいに襲ってきた恐怖が、雲が割れるように...

ログインして続きを読む