第49章

小島奈緒は日曜、家を出てバス停に着く前に青木達也から電話を受けた。

「悪い、今から一本、穴埋め来られる?」

いわゆる「穴埋め」は、元々入っていた別のモデルが何らかの理由で飛んだとき、急きょ代役が必要になる仕事だ。小島奈緒みたいな駆け出しは、まだ知名度もなく、ブランドやカメラマンと契約があるわけでもない。稼ぎの大半は、こういう突発の現場で成り立っている。

断ろうとしたが、青木達也は口が早い。もう一気にまくし立ててきた。

「多くねぇよ。30着くらい。お前のペースなら3~4時間ってとこ。来る? 来ない?」

祖母の回復はかなり良く、今日はもうベッドから降りて歩けるくらいだ。しかも石村さんが...

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