第55章

小島奈緒は額に手を当てた。

風間怜司は、時々こちらが知らない人みたいに大人びているくせに、時々びっくりするほど子どもっぽい。しかもそれが、笑えない方向で。

もちろん本人は認めない。

「なにが子どもっぽいんだよ?」と、やけに堂々と言い返してくる。

続けて彼は訊いた。

「アイツ、奈緒に何の用だった?」

アイツ……。

小島奈緒は言葉に詰まり、少し間を置いてから答えた。

「うちに来ないかって。向こうのスタジオと契約しないか、って話。先週、スタジオのほうに行ったんだけど……たぶん、あの人が社長」

「それで?」と風間怜司。

「契約したら取り分は引かれるけど、その代わり仕事量は保証する...

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