第7章

ケンタッキーは学校の正門の向かい、道路を挟んだ真向かいにある。そこを回り込めば、すぐ裏手が小島奈緒のいまの住まいだった。

つまり、小島奈緒は毎日そこを通る。

ケンタッキーみたいなファストフードは、家庭によって扱いが違う。親に「身体に悪いから控えなさい」と言われる側の子もいれば、通りかかるたび財布をそっと確かめて、食欲を飲み込んで目を逸らしたまま通り過ぎる側の子もいる。

風間怜司は、もちろん前者だ。

小島奈緒の記憶の中で、自分もかつては前者だった。父親が事業に失敗し、祖母を騙して家を売らせ、家中の蓄えまで持ち逃げしてから――彼女は後者に落ちた。

風間怜司は少し面食らった。

彼がこれ...

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