第72章

風間怜司という若様は、クラスメイトといるときは案外ちゃんと庶民的だ。奢るにしても、学校の近くの手頃な店を選ぶ。

試験が終わったばかりで皆の気が緩み、食べて飲んで大騒ぎ。男子連中は酒まで頼んで、やれ「飲め飲め」だの「もう一杯」だのと、声を張り上げていた。

席の途中で報奨金の話になり、井上小夜が目を輝かせる。

「すごい額だよね……」

小島奈緒も今回の手応えは悪くなかった。自己採点の感触だと、結果次第では十分に狙える。

すると上級生の先輩たちが、にやにやしながら聞いてくる。

「先生に挨拶、した?」

二人はぽかんとした。

「挨拶って……必要なんですか?」

一年生の女子ってほんと純粋...

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