第73章

年が明けて、写真スタジオのほうも休みに入った。小島奈緒は仕事がなく、珍しくちゃんと「休む」モードになる。

数日は風間怜司と顔を合わせないだろうと思っていた。正月なのだし、家の用事もあるだろう。――ところが、彼はあっさりまたやって来た。

「ご両親と過ごさないの?」

奈緒が目を丸くすると、怜司は露骨に顔をしかめた。

「その話、したくねぇ。だるい」

「……どうしたの?」

正月早々、風間邦夫と鈴木蓮花が揉めたらしい。今朝、二人はそれぞれ勝手に飛んで行き、好きに気晴らしをしているという。

広い家に残ったのは、風間怜司ひとり。

「え……よくあるの?」

奈緒は状況が飲み込めず、間の抜けた...

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