第12章

「我慢なんかしないでよ!」

泉凪紗は目を潤ませ、焦ったように声を張り上げた。

「こんな状態で大丈夫なわけないでしょ? 行くよ! 薬買いに行くから!」

「でも……もう遅いし、周りの迷惑に……」

「そんなこと言ってる場合!? 命と近所迷惑、どっちが大事なのよ!」

泉凪紗は問答無用に近くのハンガーから厚手のコートを引っ剥がすと、強引に神代雪璃の肩にかけ、半ば抱きかかえるようにして彼女をベッドから引きずり下ろした。

「頑張って。薬局はすぐそこだから!」

冷たい夜風が、神代雪璃の薄い皮膚を容赦なく刺す。

二十四時間営業の薬局を出た彼女の手には、安物の鎮痛剤が一箱、強く握りしめられていた...

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