第124章

神代雪璃が病室のドアを押し開け、中の光景を目にした瞬間、その瞳に暗い影が落ちた――。

兄は相変わらず顔色悪くベッドに横たわっている。

一方、母は雪璃のベッドに腰を下ろしていた。目元はまだ赤かったが、顔にはすでに笑みが浮かんでいる。父と穏やかに言葉を交わす様子を見るに、どうやら仲直りしたらしい。

その背後から病室に入ってきた水嶋舞羽もまた、複雑な表情を浮かべていた。

「戻ったか。ちょうどいい、話がある」

神代雪璃が入ってくるのを見た神代永世が口を開く。決して優しい口調ではないが、以前よりは幾分マシになっていた。

だが、神代雪璃はその態度に感謝するどころか、嫌悪感を露わにした。

「...

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