第149章

白石悠真は閉ざされたドアをじっと見つめ、何か思案するような表情を浮かべた。

「そうか」白石の母は微笑み、手招きした。「義姉さんからあなたの好きな果物を聞いてなかったから、とりあえず全部切っておいたわよ。いらっしゃい、少し食べていきなさい」

神代雪璃は丁寧に辞退した。

「ありがとうございます、おば様。でも、もう遅いですし、失礼させていただきます」

「果物を食べるくらい、すぐよ。帰りは悠真に送らせるから」白石の母は引かない。「この苺、新鮮で美味しいわよ」

これ以上断るのも失礼にあたると思い、神代雪璃はソファに腰を下ろし、苺を二つ手に取った。

「雪璃ちゃん。悠真と恋人同士にはなれなくて...

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