第15章

田中は相手が一筋縄ではいかない令嬢だと見て取ると、途端に気勢を削がれ、強がりを言うのが精一杯だった。

「これは当店の内部事情ですので……お客様、どうか口出しなさいませんよう」

「内部事情なら、人に土下座を強要してもいいというの?」

暁真昼は一歩も引かない。

「あなたの名前は? 社員番号は? オーナーに苦情を入れさせてもらうわ!」

田中の顔色がさっと青ざめた。

月見映司は眉を寄せ、突然現れた暁真昼と、隣で敵意を剥き出しにしている恋人の虹野光を見比べ、頭痛を覚えた。

「よせ、真昼」

彼は口を開いた。

「ただの誤解だ」

暁真昼は冷笑を浮かべた。

「誤解? 人を土下座させる誤解...

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