第150章

白石悠真は、黙りこくる神代雪璃に視線を走らせた。彼女が自らを霧生嵐社長の「恋人」ではなく、あえて「愛人」と称した理由が、ようやく腑に落ちた気がした。

「義姉さん、霧生社長と雪璃ちゃんの個人的なことに、私たちが口を挟むのはよしたほうがいいんじゃないかしら?」

紡木祈の影響もあり、白石の母もまた、霧生嵐にはあまり良い印象を抱いていなかった。

だが、第一病院の高額な医療機器の多くは霧生グループからの寄贈であり、貧しい患者への医療支援も彼らの公益団体に頼っている現状がある。無下にはできない相手だった。

「個人的なこと、ですって?」

羽鳥伯母さんは声を張り上げた。

「雪璃ちゃんの両親が育児...

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