第159章

月見映司は答えず、ただ横に座る神代雪璃へと顔を向けた。しかし彼女は何の反応も示さず、その横顔は芳しくない。

「いつもの、でよろしいですか?」

バーテンダーが顔を上げて尋ねた。

神代雪璃は無言で頷く。

「俺にも、同じものを」

月見映司が言った。

バーテンダーは少し戯けるように笑った。

「月見様は相変わらずですね。雪璃さんが飲むものを、そのまま注文されるとは」

だが、月見映司の表情が優れないことに気づくと、彼は慌てて話題を変えた。

「本日は貸し切りですが、二杯だけでよろしいので?」

「ここに六杯作って置いていけ。そうしたら、お前は上がっていい」

月見映司は淡々と言った。

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