第164章

「どうしました?」

彼女がついて来ていないことに気づき、白石悠真は足を止めて振り返った。

神代雪璃はぎこちなく口角を上げ、淡々と言った。

「何でもありません」

そう言うと、彼の背中を追う。

暁真昼はそんな神代雪璃をじろじろと観察し、不思議そうにぱちくりと瞬きをした。

「顔色が悪いよ。どこか具合でも悪いの?」

「大丈夫。少し歩きすぎて、疲れただけ」

ちょうどその時、エレベーターのドアが開き、神代雪璃は中へと足を運んだ。

暁真昼が困惑した表情で手招きする。

「それ、上行きだよ? 上がってどうするの」

「見間違えたわ。下に行くのかと……」

神代雪璃は心ここにあらずといった様...

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