第165章

「白石先生のその例え、斬新ですね。初めて聞きました」

 二人は肩を並べてリビングに入った。神代雪璃は白石悠真にまずソファを勧めると、尋ねた。

「白石先生、お飲み物はお茶とコーヒー、どちらがよろしいですか?」

 白石悠真は微笑んで答えた。

「お茶でお願いします。コーヒーは体に障りますから」

「分かりました。少々お待ちください」

 神代雪璃はお茶を淹れようと動き出しかけたが、ふと足を止めた。

 この別荘に茶葉があるのかどうか、あったとしても何処にしまわれているのか、彼女は全く知らなかったのだ。

 白石悠真は、立ち止まったまま動かない神代雪璃を見やり、生活感の希薄な別荘の様子を一瞥...

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