第176章

神代永世と談笑していた数人は、不穏な空気を感じ取ると、適当な理由をつけてその場を離れた。

「馬鹿な真似はよせ!」

神代永世は厳めしい顔で言った。

「嵐の件ならまだ私が尻拭いできる。だが、霧生の大御所を怒らせてみろ、ただで済む保証はないぞ! 今後、神代雪璃には一切関わるな。あんな妹は最初からいなかったものと思え!」

水嶋舞羽は義父の人となりを理解しているつもりだったが、その言葉には思わず眉をひそめた。

如月菫は唇をわななかせ、長い睫毛に溜まった涙が零れ落ちた。赤く腫れた瞳には信じられないという色が浮かんでいる。

「放せッ! てめえみてえな父親を持った覚えはねえぞ!! この腰抜けが!...

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