第184章

「今日、リハビリは必要ですか?」

沈黙を破ったのは神代雪璃だった。

白石悠真はそこでようやく視線を戻し、彼女の足元を一瞥してから言った。

「焦りは禁物だよ。明後日にしよう」

「分かりました。ありがとうございます、白石先生」

神代雪璃は礼を言い、霧生嵐と共に診察室を出た。

病院を出るまでの間、二人の間に言葉はなかった。

霧生嵐のシャツが濡れそぼり、肌に張り付いているせいで、すれ違う人々が怪訝そうに、あるいは遠慮のない視線を向けてくる。

病院の正面玄関には、フロント部分が大きく陥没したロールスロイスが停まっていた。

塗装が広範囲にわたって剥げ落ち、ヘッドライトの一つとサイドミラ...

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