第191章

「違うな。単に、お前が気に食わないだけだ」

霧生嵐はそう言い放った。

霧生陽は居住まいを正して立ち上がると、皮肉たっぷりに口角を上げた。

「この期に及んでその物言い、実に率直で感服いたしますよ」

「今後、さらに感服することになるさ」

霧生嵐は薄く笑い、続けた。

「神代雪璃は妊娠中でな、腹が減りやすいんだ。こっちは片成副社長に任せて、俺たちは食事に行かせてもらう」

霧生陽は軽く舌打ちをした。

「いつまでその余裕が続くか、見ものですね」

「吉言として受け取っておく」

霧生嵐は休憩室に入ると、神代雪璃の上着を持ってきて彼女に着せ、その手を引いて外へと歩き出した。

霧生陽は鼻で...

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